入コン沢 (入りコン沢) とは 4回目

一般糸魚川市民に「入コン沢」ってどこですか?と訊ねても、大半の答えは「何それ?」「は?」「知りません」です。
タクシーの運転手すら知らないかもしれません。
ヒスイに携わっている方や、入コン沢周辺の在住者以外には通用しない単語でもあります。
そもそも「入コン沢」「入りコン沢」という名称は漢字、カタカナ、ひらがな が連結したすごく不自然な単語です。
幻の青ヒスイで有名なだけに、名称の由来を知りたくなるのは、むしろ素朴な疑問です。
私は事ある毎に、入コン沢周辺地域の方々と雑談しながら名称の由来を訊ねてきましたが、由来を知っている方に巡り合うことはありませんでした。
地元のヒスイ商、ヒスイ店舗、ヒスイコレクター、市役所、地域振興局、フォッサマグナミュージアム 他、思いつく所は全て出向きましたが、答えが出ません。
昔から「入コン沢という名称だ」という返答が一番多いです。
昔からってそんなはずない。私は胸につかえたモヤモヤが消えない思いでした。
とりあえず長年取材してきた資料をデスクに広げ、頭の中で整理しました。
入コン沢という名称をパズルのピースのように3分割にしてみました。「入」「コン」「沢」
その中で「沢」というのは「谷」という意味に等しく、面白い事にフォッサマグナ西端(糸魚川 静岡構造線)を境目に東日本では「○○沢」西日本では「○○谷」という呼び方が多く「入コン沢」=「入コン谷」ともとれる。
実際に現在の入コン沢は谷間にある川です。

本日(2014.6.3)撮った入コン沢周辺。

草木が茂って分かり難いですが、画像中央 杉林の下側に川(入コン沢)が流れています。
流量は沢と言われるほど少なくはなく比較的豊富な流量で川と言えるものです。
国交省管轄庁舎への取材資料から現在の入コン沢は1970年(昭和45年)に一級水系に編入されていますが、その際の資料には「入コン沢」という川の存在はなく「入こん川」(こん は ひらがな表示)という登録になっています。
そもそも沢は流量の少なさのため水利・水運・水防上の重要性が低く、一級・二級河川の指定を受けている沢はありません。
ここから考えられることは上の画像の広大な谷間が入コン沢(入コン谷)であり、そこを流れる川が 入こん川 ではないかと考えます。
長年取材している入コン沢の主な周辺地区は 入こん川(入コン沢)の東側 夏中地区 なのですが、西側には 野口地区 がありました。
私有地が入り組み、無断立ち入り禁止の場所も多い夏中地区
入コン沢へ通る道も草薮で覆われ、侵入者を阻んでいます。

(私有地の為、ここまで進入出来ません。画像は望遠レンズで撮っています)
この険しい藪の先が入コン沢になり、青ヒスイの眠る川を渡ると野口地区です。
野口地区はすでに住民はなく、居住区は廃墟と化し草むらの中へ隠れています。
そしてこの他に何と幻の地区が存在していました。
その地区は糸魚川市課税資料図に記載されていました。 「入川沢地区」 です。

公図では野口地区に隣接する位置関係かもしれません。
数年前にこの公図を手に入れ、入コン沢=入川沢 という裏付けが取れず、仮説域でした。
夏中地区の齢70を過ぎるであろうお婆ちゃんと雑談をした際、お婆ちゃんは入コン沢を「えりがんざわ」と発音していました。
幼い頃より「えりがんざわ」と発音していたそうです。
方言もあるでしょうが、まさか「いりかわさわ」=「えりがんざわ」?
そして今日、謎が解明されました。
今日の午前中に入コン沢 夏中地区に到着すると、正面より齢80位のお爺さんが歩いてきました。
軽く挨拶し、 入コン沢の名称の由来を訊ねたところ、「昔はこの辺りは入川沢っていう所だったんじゃよ」「それが なまって いつの間にか入コン沢になったんじゃよ」
長年取材してきたのに何とあっけなく。。。。。驚きました。
つまり、現在の入コン沢と呼ばれる川を挟む谷全体が入川沢であると言う事です。
国交省が一級水系登録の際、すでに入コン沢と呼ばれていた川は沢だと1級河川にはならないので 入こん川 という河川名にしたのではないでしょうか。

続く

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